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au vestiaire

“更衣室で・・・”

ただいま、めずらしく我が家は停電です。
理由は分かりませんが、家も近所も停電です・・・。
すぐに電気が来ることを期待し、何もできないのでブログでも更新します。

さて、ようやく活動が本格始動しました。
新学期が始まり、体育の授業をする小学校にあいさつして回り、ようやく時間割が決定し、今週から授業が始まりました。
とは言っても、月曜日にひとつの小学校に行ったら、
“え?今日からだった??”と校長先生・・・。
次の回から始めることができました。

さて、新年度になり、私はモロッコ人の先生と授業をするはずでしたが、案の定授業は私ひとりでやることになっています。
時々、授業時間に子供と一緒に体育をしに来る先生がわずかにいますが、授業は私にお任せで消えてしまいます。
一人の先生は、“今日は1回目だから、顔を見せに来たけど、次回からは来ないわよ!!”と宣言されました。

さて、昨年度の私は、“なぜ私は一人で崩壊授業をしなければならないのか・・・”そんな風に考え、自分が求めてきた状況と現実との狭間で、いらついていました。
しかし今年の私は違います。一言で言えば、あきらめの境地です。
モロッコの先生たちは、体育の授業をしたがらない、教育委員会に行って、状況を変えようとして相談して環境を整えたように見せても、現場に行けば同じ。授業は外国人の私に丸投げ。
体育をしに来た外国人に、自分の生徒が体育を受ける。
決して自分が体育をしようとは考えていません。

はい、ダラダラ書きましたが、今年は当たって砕ける日々です。
モロッコに来て、フランス語は勉強してきて、日常生活は何とか過ごせます。
しかし、アラビア語は未だに初心者。
小学6年生は、私のフランス語の意図をくみ取ってくれ、大きな問題無く体育ができます。
5年生、4年生、3年生になると、この順で段階を追って、悲惨な結果です。

そして今日・・・。“更衣室で・・・”

今日の授業は午後から3クラス。
初回ということもあり、思うように行くわけもなく、でも何とかウォーミングアップと鬼ごっこをして、思いっきり子供たちは汗をかいて、何とか家へ追い返しました。
しかし、私の怒りは頂点に!!
はらわた煮えくりかえっています。

私、こういう時・・・物に当たってしまいます・・・。
恥ずかしいですが・・・。
更衣室の前に置いていた椅子、子供たちもいなくなり、蹴飛ばしてしまいました。
自分が痛いのは知っているのに、左足の甲で蹴りあげてしまいました。
更衣室に入って、まだまだ怒りは収まらず、ペットボトルと椅子がもう一度ずつ飛びました。
そして最後に、更衣室の扉を内側から勢いよく、強い力で締めました。

・・・・。

恥ずかしながら、荒れ狂ってしまいました・・・。

こんな姿は誰にも見せられない、そんな思いで更衣室の中で自分の気持ちを落ち着かせ・・・、そろそろ出ようとした時・・・。

扉を開けようとしたら、扉のノブが壊れているもよう。
中から開けることができません。
扉を蹴るも、たたくも、誰も気づいてくれません。

時間は経過し、生徒たちが全員下校。
先生たちも同時に帰宅・・・。
“私、更衣室で夜を超すのかしら”、決して死ぬわけではないけど、嫌だ!!と、一気に焦ります。
さっきまでの怒りなんて、どっかに行ってしまい、そこまで怒りちらして、この状況。
自分に笑ってしまいます。

そんな時、近くにあるトイレに男の子が来て、大きな音や声で助けを求めるも、彼は去って行きました。おそらく彼が最後であった・・・。
このまま朝まで“更衣室で・・・”なんてドラマのようなシナリオを考えたものの、私の手元には携帯電話。
校長先生に電話し、学校の警備員のおじさんに電話してもらうよう頼みました。
校長先生は、学校にはおらず、遠く離れた街にいて、“俺は何もできないよ~”なんて言われた時には、どうしようかと思いましたが、隣の小学校の校長先生に電話をしてくれたようで、更衣室を外から開けてくれた時は、その校長先生と警備のおじさん、そして、近所に住む男の先生の3人がいました。

“更衣室で・・・”
今の自分のおかれる環境に怒りを爆発させていた私が、出る時にはそんなことを忘れ、とにかく“開けてくれたことに感謝”していた私です。

モロッコの嫌なところ・・・
言葉の面で半人前以下の私に、授業を丸投げするシステム。
でも、そんな無謀な状況でも、子供は私をバカにしながらも、なんやかんや和気あいあいと全力で走りまわって汗をかいています。
彼らの全力で、裏表のない姿勢に、崩壊授業ですが、何だか心がほっこりしています。
モロッコの子供たちの純粋なところ、言葉が通じないはずなのに、誰やかれやが私を助けてくれながら何とかなる人同士のつながり。
そんな日本ではなかなか感じられない“ほっこり”を、モロッコでは沢山感じられています。

怒りが頂点に達していた私、
“更衣室で・・・”笑顔になっちゃいました。

# by coffeeshopdabada | 2011-10-14 06:47 | 活動

Les visiteurs

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“お客さん”

この夏最後のお客さんが、私の所を訪ねてくれました。
どこにいても同じかなと感じるけど、自分の元へ遥々訪れてくれる人がいるというのは、とても嬉しいことであり、楽しみなことです。

今回のお客さんは・・・
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こんな感じのお客さんです。
何のつながりかというと・・・
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はい、そうです。
ボールつながりです。
社会人になって、趣味でやっていたフットサルで出会った友達です。
年齢も職業も違う、異色なグループですが、このメンバーは大好きで、モロッコに来てくれる日を楽しみに待っていました。
一緒に過ごす中での会話・・・
“あんたいっつも遅いねんって~
 お土産買ういうのに、いつまで迷ってんねん!!
 ええ歳して、いつまでも迷って、自分の歳分かってんかぁ~”
人生の一番の先輩に対しても、何の容赦もなく、言いたい放題言って、言う方も言われる方も、好き勝手言っています。
“あんたらうるさいねんって~
 二度とけぇへんモロッコで、ゆっくりお土産みたいやないの~
 予定押してるの、私のせいかいな!?”
まぁ、言いたい放題言い合う、この大阪の仲間のからみが懐かしく、楽しかったです。

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そして、そんなお友達と同時に私の元を訪れてくれたのは、
ただいま世界1周中のお二人。
スペインの宿で偶然出会った二人。
次に行く国がモロッコってことで、私の地元を全力で紹介してみました。

海外にいる日本人、友達の友達・・・
なんだかモロッコにいる間に、おもしろい出会いを多くしているなぁと感じます。
彼らは来年の4月1日に日本に帰国だそうです。
私の帰国は3月20日かな。
帰国後会えることを、日本での楽しみの一つにしときます。

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みんなが私の所に来たのは、いつものフランス語のレッスンの日。
せっかくだから、授業に友達も参加してみよう・・・ってことで、
この日の授業は、フランス語ではなく英語。
私の先生と、私の友達が友達に・・・。
何だか不思議だけど、おもしろい機会に感謝です。
いつもフランス語を一緒に勉強しているママが、今回の場をセッティングしてくださいました。
旦那さんが料理を買ってきてくださり、楽しいひと時になりました。

ふと思う。
日本から来てくれる人に、胸を張って紹介したくなるJICA関係のみなさん。
いつも一緒に勉強している先生。
同じ街に住む日本人。
この1年、素敵な人に出会えた事は、日本から来てくれる大好きな友達と同じくらい幸せなのかな。
たくさんの人の応援を受け、残りの半年、何かをモロッコに残したいとパワーが出てきます。

# by coffeeshopdabada | 2011-09-26 08:49 | 頭の中

SAMURAI

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“サムライ”

秋と言えば、スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋!!!他にもあるけど・・・
この中で、久しぶりに熱中しているのが“読書”
JICA事務所から借りて帰って半年以上経っていたこの本“武士道”をようやく読みました。
昔から読書というのは“エネルギーのいるもの”として、避けてきていた私ですが、最近、読書の楽しさに魅せられています。
母国語である言語で書かれた文章を読み、感じることのできる喜びに触れています。
そして、知らなかったことに触れる楽しみを感じています。

さて、私が“武士道”という本に興味を持つきっかけが何だったかというと、

①日本の5千円札の男性が誰だか知らなかったから。
 聞くところによると、アメリカで彼は“武士道”という本の中で、
 無宗教と言われている日本人の持つ宗教精神は、武士道が育てている、という。
 運動しながら人間性を育てて来た、体育会系の私には何かわかるような気がする・・・。

②モロッコ人が“サムライは最高だ!!”と、大声でいうが、何を指しているのかわからないから。
 今の時代、日本にはサムライがいません。でも、映画で見た日本の映画が影響しているのか、
 ”日本のサムライは最高だ”といわれる。私には何を誉められているのかが、全くわからない。

そんな理由が、私と“武士道”の出会い。
読み始めると、古典的な文章や漢詩が出てきて、読解能力に限界のある私は、何度もつまづきましたが、
途中からどっぷりとはまり、一気に読み切ってしまいました。

その内容を、忘れないうちにメモ・・・
(しっかりした文献も読まず、こうかなって思ったことを書いていきます。
 間違いも多いでしょうが、私の頭の整理ということで・・・。)

“武士”とは、平安時代から江戸時代にかけて、日本社会の中にあった一つの地位、職業であった。
庶民は、“武士”に対して絶対的なあこがれや、尊敬の念をもっていたそうだ。
逆に“武士”は、贅沢をしない生活の中で、剣術や学問を学び、平和的なものを好んだ人たちであったそうだ。さらに、“武士”は、自分たちの身分が商人や農民より高いことから、その身分に恥じない振る舞いを実践していたようだ。

武士の教育は、次の7つの教えが非常に大切にされた。
①義・・・不正なことは忌まわしい物。
②勇・・・勇気を持ち、死すべき時に死し、生くべき時に生く。
③仁・・・愛・寛容・他者への同情、あわれみの情。
④礼・・・他人に対する思いやり。
⑤誠・・・嘘やごまかしは、臆病と考えられた。
⑥名誉・・・羞恥心を持つことで、家族をはじめとする名の名誉を守ってきた。
⑦忠義・・・個人よりも国を重んじる。

モロッコ人の言う“サムライは素晴らしい”というのは、この精神性を表すのだろうか?
日本人が何となくイメージする“サムライ魂”とは、このことだったのか?と、感じる。

このような教えが“人としての鏡”として長い間、日本人のDNAの中に刷り込まれ、宗教がないと言われ続けている日本人の中にも、人としての道徳心として残っているのは、私個人として納得している。

この“武士道”の基本は、仏教、神道、そして孔子の教えの影響が大きいそうだ。
仏教・・・運命に対する安らかな信頼、不可避なものへの服従、死への親近感など
神道・・・忠誠の心、先祖への崇敬、孝心、国土への愛、天皇への神聖
孔子・・・治める者と治められる者の関係、父子、夫婦、兄弟、朋友との関係
この3つの教えが融合し、日本人の持つ道徳心の元である、“武士道”が育まれた。

こんなことを知ると、私の中にある道徳心は、先祖の先祖の先祖の・・・・遠い先祖の武士の血が流れているおかげだと思う。何だか誇れるような気がする。


本の内容を簡単に抜き出しただけで、読んでくださっている人には、読みぐるしいことが多いと思いますが、私は今、日本人としての誇りを感じています。
この本のおかげでしょう。

海外に出ると、“無宗教者”としての日本人が不思議がられる。
でも、私の心の中には、名前は知らないけど“ある宗教”が根付いています。
仏教、神道、儒教、そして武士道、それらは聖書やコーランのようには目に見えない。
でも、日本人の暮らす生活の端々に、私たちの先祖の教えと宗教観がある。
そう思うと私は、“奇妙な日本人の持つ宗教”に、誇りを持つことができる。

# by coffeeshopdabada | 2011-09-14 20:18 | 頭の中

Le redémarrage

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“再出発”

夏休み中、JICAの事務所で1年間の活動の報告会がありました。
そして、9月7日には自分の活動をしている街の教育委員会でも、報告会がありました。
さらに、9月23日には首都の教育省で、同じ内容のことを報告します。

自分の街の教育委員会で報告を終え、改めて1年たったと感じています。
発表は、フランス語で行いました。
ある程度、自分の言葉として伝えられたのが、今年1年間の成果かなと感じています。

残り半年の活動です。
0だった私をここまで育ててくれた、心優しいモロッコの人たちへの恩返しという思いも込めて、残りの半年、おもいきった活動をしたいと思っています。

# by coffeeshopdabada | 2011-09-09 02:51 | 活動

L'étude exceptionnelle

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“特別授業”

幼いころからずっと変わらないこと・・・
“泣き虫”

保育園の先生に、自分の名前すら名乗れず泣いていた私です。
“そんな私も、ちゃんと自立したなぁ”
なんて、この夏休み中ふと考えました。

日本人の常識では、この異例の超長期バカンスで、
ヨーロッパの文化や歴史に触れ、“歴史”大嫌いな私が、今、人生で一番“歴史”に興味を持っています。
それは、懐深きヨーロッパの歴史のパワーなんでしょうか。
今中学生に戻れば、私、社会の時間、一生懸命先生の話を聞くと思います!!

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海外に行くと感じることですが、生活に宗教が深くかかわっていること。
モロッコ、ヨーロッパですごく感じることです。
そんな文化に触れて、今私が考えていること・・・。
変な疑問ですが、しばらく私の宿題にして、考えていきたいと思っていること・・・

“世界規模での流行りがあるのか??”

世界史はおろか、日本史も無知識の私ですが、今興味があることです。

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“宗教中心の世界”
が、おそらくどの国においても一つの時代としてあったのだろうと、無知の私は感じるのであります。
人間が生まれて、動物的な生き物から、社会性を持った人間になり、その後の流行りは“宗教”だったのかなと、世界史の年表すら全く分からない私の予想です。

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“宗教の力で、領土を広げ富を築く時代”
次におとずれたのが、宗教を広めたり、宗教の力を盾にして、富を独占する時代。
宗教を否定的にとらえているわけじゃないけど、豪華すぎる遺跡を見ると、そんな風に考えてしまいます。
そんな時代に、市民たちはやはり耐えられず、民主化を求めそれまでの社会に変化をあたえる。
“王様や貴族の社会は、ひとまず終了”
これが世界の流行りだったのかな??・・・

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次にきた世界的な流行りは、
“世界規模の戦争”
戦後世代の私たちの、一番イメージしやすい戦争です。
その後、今でも戦争は起きているけど、全世界が血に染まっているわけじゃない。
資本主義の世界にどっぷり染まり、自国の利益のために戦争している国はあるように感じるが、世界規模の戦争は終わったと感じる。

さて、今、世界の流行りは何なんでしょう??
今、世界規模で向かっている方向性とは何なんだろう??
変なことを考え始めて、何だか歴史を勉強したくなっています。

# by coffeeshopdabada | 2011-09-08 22:34 | 頭の中