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“ある男”

写真は、インズガンという大きな市場のある街の
タクシー乗り場の写真。
ここは、庶民の買い物の街ということで、
めちゃくちゃ活気があります。
また、交通の拠点ということで、
交通量と人の数がすごく多い場所です。
正直、この場所はずっと怖く感じていて、
あまり使いたくない場所でした。
が、今年度は、毎日と言ってもいいほど、
この場所に足を運んでいます。
ここを拠点に、毎日の活動先へ行っています。


さて、この場所で“ある男”にあったのですが、
モロッコの通勤・通学ラッシュは、
バスやタクシーを捕まえるのがとても大変です。
この写真のように、沢山のタクシーが集まる場所に、
人も密集します。
しかも18時ともなると、日がくれ出し薄暗くなります。
そんな中、誰もが我先にと、順番なんか無視して席の取り合いです。
私、その戦いに参戦できるほどの度胸がありません。
ということで、ずーっとタクシーを待ち続け30分は経過した頃、“ある男”にこの場所で出会いました。


“ある男”の彼は、この近くのバス会社で、荷物を管理しているおじさんです。
おじさんは、あるとき外国人である私に、本来なら請求しないはずの手数料を私に請求し、
私は少し腹を立てながら、話をしたことがあります。

私:なんでみんなお金を払ってないのに、私だけ払うの?
彼:他の客は、バスの乗り継ぎで、ここから乗る客じゃないからだ。
私:この会社のバスに乗るとき、一回も払ったことないのに、何で?
彼:まぁいいから払え。
私:マラケシュから乗るとき、いっつも払ってないよ!!
彼:まぁいいから払え。次回からただにしてやるから。
私:・・・

こんなやり取りのあった“ある男”です。
が、そのやり取り以来、彼とは会った時には挨拶し、約束通りというか、
それ以来お金をとられることはありません。

そんな彼が、夕闇にくれていく、薄気味悪いタクシー乗り場で、明るく挨拶してきます。
私は、正直嬉しくない気持ち・・・。
自分がのりたいタクシーを彼に告げると、彼は、私のためにタクシーを探し始めました。
外国人から金を取ろうとする、いやらしい“ある男”だったはずの彼は、何とも親切な彼へ。

そして、数分後、私の乗りたいタクシーがやってきました。
しかし、争奪争いが激しい通勤・通学ラッシュのため、タクシーはすでに満席。
諦めた私の横で、“ある男”は戦います。
後部座席に乗っていた学生を引っ張り出し、
“この女性を先に家へ帰らせてやれ!!”
と言いながら、彼の場所を私へ譲らせました。

なんとすごい力技。
しかも、学生の彼も、反抗しない・・・。
なぜなんだろう???

その上、タクシー代は“ある男”の彼が払ってくれました。

私、戦わずして席をいただきました。
ありがとうございました。

でも、何だかおかしな気持ちです。


モロッコで外国人として生活していく中で、損すること。
お金をぼったくられること。

得すること。
一度仲良くなると、親切にしてもらえるとこと。
そして、外国人だから常に目立って、かわいがられること。


“ある男”
ずっと前に取られたお金は、彼の親切な行動でちゃらになりました。
そして、モロッコ人の気前よさと、正義感に助けられた出来事でした。

by coffeeshopdabada | 2011-10-27 00:46 | モロッコの街