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Fèz

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“フェズ”
モロッコでの生活も、7ヶ月が経過しました。
この間、モロッコ国内を旅行することも多く、今さらながらアップしようと思います。
“フェズ”は9世紀、モロッコ最初のイスラム王朝の都でした。
城壁で囲まれた街の中には、当時、モスクと神学校が次々と建ち、
人々は、先住民であるベルベル人、
チュニジアからの移民とスペインからの移民を受け入れたそうです。
そして、ここを拠点にして、モロッコ全土にイスラム教が広まっていったそうです。
その後、首都はマラケシュに移り、再度13世紀にフェズを首都としたそうです。
16世紀には、マラケシュに首都が移り、その後首都がフェズに戻ることはありませんでしたが、
信仰、芸術、商業の中心の街として、今でも活気あふれる街です。
この門を入ると、昔ながらの街並みが続き、迷路のような路地が続きます。
その中では、何か深みのあるような街の雰囲気を味わえます。

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フェズの伝統工芸は、刺繍に織物、焼き物。
どれも手作りで、手間がかかっています。
刺繍は、裏表のガラが同じになる縫い方です。
刺繍や織物は、お土産に喜ばれそうな品々です。


お店の中に、山と積まれた織物。
どれを選ぶか、一苦労です。
選びながら、頭にどうやって巻くのか、プチ講座を開いてもらい、そんなことをしていると、あっという間に時間が経過します。





焼き物は、重くてかさばるので考えものです。
フェズの窯を見学に行きましたが、
そこで働いている人たちは、
“公務員”とのことでした。
国の代表産業を、国が守っていこうとしているのですね。


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フェズの革製品は有名。
その製造工程を見ることができました。
なめし革染色職人街。
個人的に、フェズで1番の迫力を感じ、めちゃくちゃ大きなエネルギーを受けました。
職員さんに説明を受けたものを、ここにメモしておこうと思います。
①塩水で3日間
  革に着いた毛をとるためでしたかね??
  日にちが経ってしまって、忘れた。誰か教えてください。
  ここでとれた毛は、死んでからとった毛なので、毛皮にはならず、
  クッションや、マットの中に入れて使うそうです。
②石灰水で10日間
  革を柔らかくするためにアルカリ性にするそうです。
③鳩のフンで5日間
  アルカリ性になった革を中性に戻すため、自然の知恵をつかっているのですね。
  ただ、そんなに大量の鳩のフンは、一体どこで作られるのでしょうか・・・?
④機械で1日
  皮を機械で洗う。
  昔、機械が導入されるまでは、川で5日間かかっていたそうです。
⑤日の当るところで数日
  皮を干して乾かす。
  日数は、季節によってかわるそうです。
⑥染色壺で25日。
  染色には、天然素材が使われているそうで、
   赤・・・ベニバナ
   青・・・インディゴ
   黄・・・サフラン      だそうです。
  私、どんな花なのか、どんな物質なのか知りません・・・。
⑦干すために、数日
⑧仕上げのオイル塗り
 ひまわりオイルを塗って、革にバリアをはり、革の光をだすそうです。

以上の工程で、最短でも1ヶ月半かかる工程です。
全てが人の手で作られている。
製品に対して、大切に使おうと改めて心に決めました。

ここで働く人たちも“公務員”だそうです。
このなめし革職人街で働く全ての人が、“公務員”ということです。
モロッコを支える産業ということがわかります。
  
ただ、染色に使われた水は川に垂れ流し・・・。
環境のことが気になります。


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こんな風に毎日、肉体労働。
どれだけ大変なんだろうと想像します。

最後にひとつ、フェズに住む方に聞いたこと。
「フェズの街に生まれ育った若者は、ほとんどが城壁の中へ入ったことがないそうです。
 幼いころから、城壁の中は危ないから行かないように、親から言われているそうです。」

国を支える産業。
しかし、地域の人からは偏見を受けているのではないのか・・・。
そんなことを想像しています。

by coffeeshopdabada | 2011-02-06 21:31 | モロッコの街