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Le bilboquet

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“けん玉”

フランス語にも、“けん玉”という単語があるらしい。
なぜなら、けん玉の発祥はフランスであるから。
(形や大きさは、日本と違っていたし、他の国が発祥の地という説もありそう・・・。)

さて、最近、私のかくし芸である“けん玉”が、少しずつ活動として動き出している。
雨の日の体育の授業や、日本文化紹介での“けん玉教室”など。

そんな風に、けん玉に触れる時間に思い出すこと・・・
“あせらず、あわてず、あきらめず”

これは、日本けん玉協会が、“けん玉道”の中で大切にしている教えである。
私は、小学5年生と6年生の頃、このけん玉に夢中になった。
あんな“おもちゃ”のけん玉から、私は多くのことを学んだ。
器用さ、集中力、継続力、自信・・・。

けん玉をする時に、“あせったり、あわてたり”すると、技はほとんど失敗する。
そして、“あきらめたら”そこで終わりだ。

モロッコに来て、時々、自分に言い聞かせている言葉、
“あせらず、あわてず、あきらめず”

そんな忍耐を必要とする日々の中で、見えてきたことがある。
少し、モロッコの教育現場や社会を、否定的に表現することになるだろし、私が関わっている、ほんのわずかな人しか知らない私の意見だが、書いておこうと思う。

①教師の威厳は、体罰にあるのだろうか・・・
私の職場の中学校で、頻繁に目にするもの。
 例.バレーボールを足で蹴った生徒に対して、
   指や手、肘の関節を利用して、痛みを与える。蹴る、たたく・・・。
 言い分.誰かを見せしめにして、他の生徒がまねしないようにする。
 私見.口で説明することで、ほとんどのことが解決できるのではないかな。
    これがモロッコのやり方だとしても、私は嫌だな。

②授業、生徒は、先生にとって、第一優先ではない・・・
お客さんが来れば、授業はそっちのけ。
 例.担当授業の生徒は、ほったかされ、先生たちはグランドにこない。
 私見.その時でないと、お客さんや先生たちがいなくなるから、そうせざるを得ない。
    授業以外のことで、仕事をすることが、学校にとってプラスになることもあるから、
    そうせざるを得ない。・・・でも、子供たち、かわいそうだよ。

③ストライキ・・・
モロッコでは、労働条件が悪く、ストライキという方法で、改善を求めることが多い。
 例.先週の木曜日と金曜日、学校はお休みでした。
 言い分.ストライキ分の給料を引かれたため、その給料を取り返すために、さらにストライキ。
 私見.根本的には、教育にお金をかけない政府に問題がある気がするけど、
    犠牲になるのは子供たち・・・。

④失敗を怒鳴る・・・
 例.バレーの授業でのこと。試合形式で授業を進め、
   飛んできたボールをうまく処理できなかったら怒鳴る。
 言い分.生徒たちは3年生。1年2年とバレーを授業で習っているのに、
     なんでできないのか理解できない・・・。
 私見.できなくて普通だと思いますが。頭で理解していても、体では表現できない・・・。
    “体育は実技が大事”と、ずっと言っている先生方なら、それを克服するプログラムを考えて、
    上達するよう工夫したらどうでしょうか・・・。

モロッコでの生活が長くなり、今まで見えていたことに対して、自分の思いが生まれてくるようになった。
そして、先生に私の思いも伝えられるようになってきた。
“あせらず、あわてず、あきらめず”
そんな日々の中で、少しずつ見えてくるものがあります。


写真のけん玉は、日本けん玉協会が30本、モロッコに来る私に寄付してくださったもの。
モロッコの人たちに、けん玉を普及するために寄付されたもの。
毎日けん玉に触れることが、いざという時のパフォーマンスを左右する。
そんな思いから、最近は毎日1本持ち歩き始めました。

by coffeeshopdabada | 2010-12-13 08:56 | 活動